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【2024年3月版】SBT申請の必携資料を紹介!改訂されたCriteriaのキーポイントとは

 弊社ではCDPの気候変動コンサルティング&SBT支援パートナーとして、企業のSBT認定取得を支援しています。 2020年頃から多種多様なセクターに属する企業様向けに、短期目標、ネットゼロ目標、および目標アップデートの支援を重ねてまいりました。  今回のコラムでは、昨年末からのSBT関連リソースの主な更新情報についてお届けします。 これからSBTの取得を目指す企業様はもちろん、認定後5年以内のアップデートを控える企業様にも参考になる情報をご提供します。 主なSBT関連リソースの最新動向(2023年冬以降)  ここ数カ月でSBT関連リソースが立て続けにリリースおよび更新されました。主な変更点は以下の通りです。 ・Corporate Target Submission Formの改訂 WordからExcelへの形式の変更、別々だった短期目標の設定、ネットゼロ目標の設定、アップデートの各フォームを統一。 ・FLAG Annexの改訂 WordからExcelへの形式の変更。 ・Procedure for Validation of SBTi Targetsのリリース ・SBTi Criteria Assessment Indicatorsのリリース ・Corporate Near-Term Criteria V5.2、Corporate Net-Zero Standard V1.2のリリース ※Corporate Manualを廃止し、Procedure for Validation of SBTi TargetsおよびCorporate Net-Zero Standard V1.2に内容を統合。 ・Forest, Land And Agriculture Science Based Target-Setting Guidance V1.1のリリース ・An SBTi Report On The Design And Implementation Of Beyond Value Chain Mitigation (BVCM)のリリース  上記の他に、中小企業(SMEs)の定義の改訂、コミットメントレター申請フォームの変更、陸上輸送のような各セクター向けの目標設定ガイダンスのリリースなどもありました。 妥当性確認審査の透明化と効率化の動き  特に注目すべきは、Corporate Target Submission Formの改訂とSBTi Criteria Assessment Indicatorsのリリースです。SBTが従来、妥当性確認審査中に指摘していた内容を、これらのリソースに表現することで、審査の効率化を目指しています。申請企業にとっては、Corporate Target Submission FormのExcel形式への変更により、解答不要箇所の自動的なグレーアウトや、Target languageの候補の出力など、従来のWord形式よりも使い勝手が向上しました。  一方、膨大な詳細情報を事前にCorporate Target Submission Formに記載しなければならないことから、審査準備の時間を従来よりも確保しておく必要があります。効率的にCorporate Target Submission Formの作成を進めるには、SBTi Criteria Assessment Indicatorsを参照しながらの作成が推奨されます。 SBT申請に向けた必携資料(2024年3月時点)  今後、目標の申請やアップデートをされる企業様は、最新のリソースに準拠する必要があります。従来参照していた主な資料は、Corporate Manual+Target Validation Protocol+SBTi Criteria and Recommendationsの3点でしたが、今後は新たにリリース/更新された ・Procedure for Validation of SBTi Targets ・SBTi Criteria Assessment Indicators ・Corporate Near-Term Criteria V5.2、Corporate Net-Zero Standard V1.2 を参照する必要があります。特にSBTi Criteria Assessment Indicatorsの資料は、スコープ1,2,3のスコープごと、スコープ3の15のカテゴリごとの審査のポイントが詳細に記載されており、排出量算定の時点でも参考になるポイントが多くあります。 Criteriaのマイナーアップデート(2024年3月)  2024年3月、Corporate Near-Term Criteria、Corporate Net-Zero Standardのマイナーアップデートがありました。マイナーというくらいなので、大枠の変更はありません。しかしながら、押さえておくべき更新箇所はいくつかあります。一例を挙げると、C26(ネットゼロC32)の「必須の目標再計算」関連の内容です。今回のアップデートにより、タイトルが” Mandatory target recalculation”から” Mandatory target review”に変更されました。この項目の脚注には、レビュー期間の定義が追加されています。  これから短期目標の設定、目標アップデート、ネットゼロ目標の申請を予定されている企業様は、最新のCorporate Near-Term Criteria V5.2、Corporate Net-Zero Standard V1.2を確認しておくことが推奨されます。   さいごに  SBTiは、企業が独自にSBTの申請や、認定取得を進められるよう、豊富なサポート資料を提供しています。だからこそ、膨大な資料が発行され、頻繁にアップデートが行われている側面もあります。日本の企業様にはそれに加えて言語面のハードルもあり、効率的な申請手続きが難しい現状があります。それでも4月2日のSBTiのブログでは、2022年1年間に日本企業1,000社以上が目標設定を行ったことが触れられ、素晴らしいマイルストーンとして記載されました。  弊社は日本の企業様を支援しながら、SBTの最新動向を常にウォッチし、日本の企業様が直面するであろう課題を理解しております。SBT認定取得に向け、お困りごとがございましたら、ぜひお気軽にお問い合わせ下さい。これまでの支援経験と、日本語でのサポート資料をご用意して、皆様のお問い合わせをお待ちしております。 (執筆者:小島)

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