FAQ・用語集コラム

【業界動向】フェアトレードに関する取組

前回までのメルマガでは「持続可能な開発目標(SDGs)」を取り上げました。
今回は、その実現のための一つの手段として、最近注目を集めているフェア
トレードについてご紹介させていただきます。

 「フェアトレードとは、対話・透明性・尊重の理念に基づいた取引関係のこと。
フェアトレードは、国際貿易の場における、より公平さを追求する。また、フェア
トレードは、不利な立場に追いやられた生産者や労働者に対してより良い取引の機
会を提供し、とりわけ発展途上国の生産者・労働者の権利を保護することを目指し
ている。それによってフェアトレードは持続可能な発展にも貢献する。」

 上記は、2001年12月にフェアトレードの国際組織である、FLO International、
IFAT、NEWS !、EFTAによって合意されたフェアトレードの定義です。

 国際フェアトレード基準は、国際フェアトレードラベル機構(Fairtrade
International)により、「経済」「社会」「環境」の3つの原則のもと設計されて
います。この基準の最大の特徴は、生産コストをまかない、かつ経済的・社会的・
環境的に持続可能な生産と生活を支える「フェアトレード最低価格」※1と
生産地域の社会発展のための資金「プレミアム(奨励金)」※2を生産者に保証
している点です。これらによって生産者は安定した収入を得ることができ、また、
生産技術の向上や機材の購入、または地域の小学校や病院の建設といった社会発展
を実現させることが可能となります。

 国際フェアトレード認証の対象となっている製品にはコーヒー、チョコレート、
バナナ、ナッツなどの食品の他、コットン、バラ、サッカーボールなど食品以外
のものもあります※3。

※1 国際市場価格が下落しても、輸入業者は「フェアトレード最低価格」以上を
   生産者組合に保証しなければならない
※2 輸入団体により品物の代金とは別に支払われる、生産地域の経済的・社会的
・環境的開発のために使われる資金
※3 詳細はフェアトレードジャパンHPご参照

 この中で、チョコレートを例に、フェアトレードとそうでない場合の生産者の
状況を比較してみます。チョコレートの原料はカカオですが、発展途上国では
1,400万人もの人々がその生産によって生計を立てていると言われています。
しかし現状は、中間業者によって低価格で買い叩かれ、多くの生産者が貧しい
生活を強いられています。また、児童労働の温床、農薬の多量な使用による
生産者の健康被害などの問題も深刻です。

 フェアトレードでは、フェアトレード最低価格を保証しているため生産者へ
正当な価格が支払われます。それによって生産者の収入を安定させ自立できる
よう支援します。また、児童労働を禁止し、環境面でも厳しい基準を設け、危険
な農薬の使用を禁止するなど、自然環境と生産者の健康状態も改善しています。

 現在フェアトレード製品は、スーパーマーケットなどで容易に買うことができ
ます。それを可能としたのは、国際フェアトレード認証ラベルのしくみです。
このラベルは、原料の生産から完成品となるまでの各工程で、国際フェアトレード
ラベル機構(Fairtrade International)が定めた国際フェアトレード基準を
満たした製品に付けることができます。これによって、消費者がフェアトレード
製品を見分けやすくなり、フェアトレード製品が一般市場で広く販売されるように
なりました。

 ただ、ここで気をつけたいことは、ラベルはフェアトレード製品であることを
証明する手段に過ぎない、ということです。つまり、ラベルが無くてもフェア
トレードである製品はたくさんあります。現在ではラベルの適用範囲は20の製品
カテゴリー、数百の個別商品に及びますが、手工芸品、繊維製品、装飾品などは
ラベル対象外です。その理由の一つに、認定手続きにかかる費用負担が大きい
ことが挙げられます。輸入団体との間でしっかりとした信頼関係を築いている
生産者にとっては手間、コストを考えると必要性をあまり感じないのかもしれま
せん。

 フェアトレードへの認知度を高める動きとして、最近ではフェアトレードタウン
運動が世界中で広がっています。その地域の市民、行政、企業が一体となり、
フェアトレードを「まちぐるみ」で広め、根付かせていくことを目的としています。
2000年、イギリス北西部ランカスター州にあるガースタングで世界初のフェア
トレードタウンが誕生し、現在では先進国だけでなく、世界30ヶ国以上、2000
以上のフェアトレードタウンが生まれています。日本では熊本市、名古屋市、
逗子市、浜松市が既にフェアトレードタウンとなっていて、さらに他地域でも
目指す動きが広がっています。こうした活動は、フェアトレードへの理解を促進
するだけでなく、地域の絆を深めることにも繋がっています。

 SDGsでは先進国だけでなく、途上国を含むすべての国と政府、民間、市民社会
の全ての人たちによる取組の重要性が説かれています。フェアトレード取組は、
まさにこの好例と言えるのではないでしょうか。影響範囲も、SDGsが掲げる
17の目標の大多数と幅広く、期待が持てます。

 地球の未来は現代を生きる私たちだけのものではありません。
将来の世代のために、まずは己の行動を見直すところから始めたいと思います。

参考資料:
・フェアトレードジャパンHP http://www.fairtrade-jp.org/
・FLO(国際フェアトレード認証機構)、IFAT(国際フェアトレード連盟)、
 NEWS!(ヨーロッパ・ワールドショップ・ネットワーク)著
 EFTA(ヨーロッパ・フェアトレード協会)編(2008)
 『これでわかるフェアトレードハンドブック:世界を幸せにするしくみ』
 (フェアトレード・リソースセンター訳)合同出版株式会社
・渡辺龍也(2018)
 『フェアトレードタウン:”誰も置き去りにしない”公正と共生のまちづくり』
 株式会社新評論

 

(2018年6月19日メルマガ)

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