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CDP質問書

CDPとは何ですか?CDP質問書とは何ですか?

CDPとは英国に本拠地を置く国際環境NGOで、企業などの環境情報開示プログラムを複数運営しています。旧名をCarbon Disclosure Project(直訳すると炭素開示プロジェクト)と言い、当初は気候関連情報に特化していましたが、その後、水や森林といった他の環境情報にも対象範囲を広げています。

特徴的なのは投資家とタッグを組むスキームを展開していること。プログラムへの署名投資家を集め、彼らの要請を受ける形で、世界の上位企業に対し環境関連の取り組みに関する質問書への回答を要請します。これがCDP質問書です。各社の回答はスコア付けされた上で投資家の投資判断等に活用されます。

具体的にどのようなプログラムを運営しているのですか?

まず、環境分野別にCDP Climate change(気候変動)、CDP Water(水)、CDP Forest(森林)があります。その他、自治体の気候変動・水情報を扱うCDP City、サプライヤー企業の気候変動・水・森林情報を扱うCDP Supply chainがあります。(サプライチェーンプログラムでは、投資家ではなくプログラムに参加するサプライチェーン上流企業からの要請を受ける形で、参加企業のサプライヤーに対して質問書への回答要請が行われます。)

質問書の対象企業は?

プログラム毎に異なりますが、CDP Climate changeの場合、対象の日本企業は、ここ数年、FTSEジャパンインデックス該当企業を基本に、時価総額上位企業500社となっています。

回答率はどのくらいですか?

CDP Climate change(2017)の場合、日本の回答要請対象企業500社のうち283社が回答し、回答率は57%でした。

回答するとどうなるのですか?回答しないとどうなるのですか?

回答にはスコアが付けられCDPのウェブサイト上で公表されます(閲覧はユーザー登録者のみ可能)。
また、CDPが毎年発行するレポートにも各社の回答の一部とスコアが掲載され一般公開されます。(回答のみ投資家以外には非公表とすることも可能です。)回答しないとFスコア(次項ご参照)がつけられ、回答しなかったことがわかるようになっています。

スコアとは何ですか?

回答結果は質問毎に、Disclosure(情報開示)、Awareness(認識)、Management(管理)、Leadership(リーダーシップ)の4つの項目で採点されます。その後、合計得点によって8段階のスコアが付けられます。(上からA、A-、B、B-、C、C- 、D、D-。)回答しなかった場合にはF(Failure to provide sufficient data to CDP:十分な情報を提供していない)となります。

質問はどのくらいの頻度でくるのですか?

毎年1回回答要請がきて、直近1年間の実績として回答します。投資家スキームの場合、概ね、毎年1月頃に投資家による署名、2月頃に各社への回答要請、7月頃に回答締切、11月頃に回答結果・スコアの開示というサイクルが毎年行われています。

具体的にどのような質問項目があるのですか?

CDP Climate change(2018)を例に挙げると、主に、社内での管理体制や事業戦略などのマネジメントに関する質問、気候関連目標と進捗に関する質問、排出量に関する質問など、全部で15の大項目がありました。排出量はスコープ1(自社による直接排出量)、スコープ2(購入・消費したエネルギーによる間接排出量)、スコープ3(サプライチェーンでの排出量)の全てが対象になっています。

質問は英語ですか?回答は英語で行うのですか?

質問は英語ですが、CDP日本事務局によって日本語訳が提供されています。回答は英語でも日本語でも可能です。ただ、日本語で回答した場合、日本語のままCDPウェブサイト上に公表されますので、海外の投資家や取引先を意識される場合にはご注意ください。

非上場企業や中小企業には関係無いですか?

サプライチェーンプログラムではサプライヤーへ回答要請が行われますので、非上場企業や中小企業でも回答要請の対象となる場合があります。また、CDPのプログラムは現状世界で最も浸透している環境情報開示プラットフォームの一つと言え、自主的に環境情報開示を行いPRしたいという企業様にもご活用いただけるのではないかと思います。回答要請の対象企業になっていなくても、自主回答企業として申請し回答することが可能です。

他社の回答結果は見られますか?

CDPサイトでユーザー登録をすると閲覧可能です。

回答に費用はかかりますか?

2018年より投資家要請質問書への回答に対し、回答事務費用が設定されました。(サプライチェーンプログラムメンバーや初年度回答など一部除外対象があります。)(2018年回答要請時の情報であり、変更となる可能性があります。)