Faq

SBT(参加要件・手続編)

参加可能な企業の条件は?

あらゆるセクターあらゆる規模の企業が参加可能です。但し2023年1月現在、化石燃料会社についてはコミットメント及び目標提出が一時停止されています。また、自動車メーカーについては、コミットメントは可能ですが、目標提出及び目標更新が一時停止されています。

CDPと同様、基本的にはグループ単位での参加になりますのでご注意ください。

中小企業も参加が可能です。SBTiの中小企業「Small-and medium-sized enterprises (SMEs)」の定義(従業員500⼈未満・⾮⼦会社・独⽴系企業)に当てはまる場合は、SMEsルートでの申請となります。SMEsルートでは⽬標提出後、⾃動的に承認され、通常ルートのような妥当性確認審査はありません。

詳細及び最新情報は以下リンク先よりご確認ください。

https://sciencebasedtargets.org/faqs#who-can-join-the-sbti

SBTiではネットゼロ目標の認定も行っているか?

行っています。但しSBTiのネットゼロの定義に沿ったネットゼロ目標である必要がありますのでご留意ください。SBTiネットゼロの定義は以下の通りです。

(a) Scope1、2、3 の排出量をゼロにするか、もしくは適格な 1.5℃シナリオまたはセクター軌道においてグローバルまたはセクターレベルでのネットゼロ排出達成と整合する残余排出量水準にまで削減すること

(b) ネットゼロ目標の時点における残余排出量およびそれ以降に大気中に放出されるすべての GHG 排出量を中和すること

加えて任意で、自らのバリューチェーン外における GHG 排出削減のための行動や投資を推奨(バリューチェーンを超えた緩和:Beyond value chain mitigation (BVCM))

必要な手続き、流れについて教えてほしい

【STEP1】 コミットメント(任意)

目標設定及び認定取得を決断されたらコミットメントレター「commitment letter」を提出します。これにより2年以内のSBT設定を約束することになります。コミットメントは任意で、このSTEPは省略してSTEP2から始めても構いません。コミットメントを行うとSBTiウェブサイト等に会社名が公表されます。

コミットメントレターは以下リンク先から入手可能です。

https://sciencebasedtargets.org/step-by-step-process#commit

SBTiウェブサイト公表ページ:https://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action

 

【STEP2】 目標提出フォームの作成・提出、妥当性確認審査予約

認定基準等を参照して排出削減目標を設定します。その後、目標提出フォーム「Target Submission Form」を作成し、予約システムから提出、妥当性確認審査の予約を行います。

審査が込み合っていることから、2023年1月現在、審査予約が可能な時期は提出時点から7か月程度先となっています。

目標提出フォームは以下リンク先から入手可能です。

https://sciencebasedtargets.org/step-by-step-process#submit

 

【STEP3】 SBTi事務局による妥当性確認審査

基本的要件を満たしているかを確認するイニシャルスクリーニングを経た後、SBTi事務局との間で目標検証サービス契約を締結、請求書が発行され、審査が始まります。ここから最短で30営業日(通常の短期目標の場合)以内で審査完了となります。

審査は、リードレビュアーによるデスクレビュー、任命された承認者によるレビュー、検証チームでの協議の三段階で行われ、その後結果連絡・フィードバックが行われます。

各段階で目標提出フォームの記載内容やCDP回答、会社HP等の公開情報を基に、SBTi事務局から質問や指摘が入ります。最短での完了を目指すには、これらの質問に毎回2営業日以内で回答する必要があります。

 

【STEP4】 SBTiウェブサイト等での公表

認定されるとSBTiウェブサイト等で会社名及び設定した目標が公表されます。プレスリリース等の外部へのコミュニケーションを検討される場合は合わせて実施します。

 

SBTiウェブサイト公表ページ: https://sciencebasedtargets.org/companies-taking-action

 

認定取得までどのくらいの期間がかかるか?

前述の通り、2023年1月現在、申請書提出から審査完了までは審査開始までの待ち時間も含み最短で8.5か月程度(待ち時間7か月+審査期間1.5か月程度※通常の短期目標の場合)となります。審査予約状況は変動しますのでご留意ください。また、審査過程での質問や指摘の数や回数は増加傾向にあり、それに伴い審査機関も長くなる傾向にあります。よって期間は余裕を見ていただくと確実です。加えて目標設定や申請書作成の必要期間も考慮する必要があります。弊社では標準的に1~2か月程度で支援を行っています。

また、弊社では目標設定の前段階として、Scope1,2,3のレビュー(インベントリ(排出量)がSBT要件と整合しているかを確認)も行っています。(弊社でScope1,2,3算定支援を実施していないお客様が対象。)こちらは標準的に2か月程度で実施しています。

これらを全て考慮すると、目標設定・認定取得を決断されてから認定取得まで、トータルで1年程度の期間が必要となります。

 

認定取得には費用がかかるか?

SBTiによる妥当性確認の費用がかかります。以下が費用の一部です。(2023年1月現在。最新情報はSBTiウェブサイトにてご確認ください。)

短期目標(Near-term science-based target):$9,500

目標更新(Target update):$4,750

中小企業(Small-and medium-sized enterprises (SMEs))短期目標/目標更新:$1,000

ネットゼロ目標(Net-zero target): $9,500

短期目標更新&ネットゼロ目標(パッケージ価格):$12,750

短期目標&ネットゼロ目標(パッケージ価格):$14,500

中小企業ネットゼロ目標:$1,000

詳細及び最新情報は以下リンク先からご確認ください。

https://sciencebasedtargets.org/faqs#how-long-does-the-sbti-process-take-how-much-does-it-cost

 

妥当性確認の際、SBTi事務局からはどのような質問や指摘があるのか?

インベントリ(排出量)の網羅性に関連した質問が多い傾向です。連結対象子会社の排出量が含まれているか、関連する全ての事業の排出量が含まれているか、Scope3の関連するカテゴリが全て算入されているか、各カテゴリで最低限含めるべき範囲の排出量が算入されているか等です。算定除外にしている場合には正当な理由の説明が必要です。また、影響が大きい場合には、インベントリへの加算を求められることもあります。

 

審査の結果、認定されないということもあるのか?

認定基準を満たしておらず、基準を満たすための修正対応もできない場合には認定されないことになります。認定基準を満たしていない可能性がある場合(インベントリに不備があったり、目標水準が基準を満たしていない等)、審査過程で質問や指摘が入ります。それに対し、正当な理由を説明したり、基準を満たすための修正に合意ができれば、基準を満たしたものとして審査が進みます。質問や指摘が入った場合には短期間での回答・修正への合意が必要ですので、あらかじめ質問や指摘を受けやすそうなところについては対策を立てておけると安心です。また、1回目の審査で認定取得ができなかった場合、半年以内であれば追加費用無しで2回目の審査を受けることが可能です。(目標更新の場合は1回のみ。)

 

認定取得後にしなければならないことはあるか?

認定取得後は年に1回、排出量と目標に向けた進捗の報告を行う必要があります。報告の場所は任意で、CDP回答や、レポート、ウェブサイト等が例として挙げられています。

また、目標は少なくとも5年に1度は見直し、必要があれば再計算、再審査を行う必要があります。再計算の際はその時点の最新の基準に従います。5年に1度の必須の見直しの他に、目標設定に関係する重大な変更がある場合には必要に応じ再計算が必要になります。重大な変更とは、買収や分離等、企業構造や活動が大きく変化した場合や、基準年のインベントリや成長予測等に大幅な変更がある場合等が該当します。

これらの対応を約束することが認定の要件になっていますので、詳細は認定基準をご参照ください。

 

参考:

SBTiウェブサイト- FAQ

https://sciencebasedtargets.org/faqs

CDPジャパン「SBT要件と推奨事項」(SBTi Criteria and Recommendations仮訳)

https://sciencebasedtargets.org/resources/files/SBTi-criteria-JP.pdf

CDPジャパン「SBTi 企業ネットゼロ基準」(SBTi Corporate Net-Zero Standard Criteria仮訳)

https://sciencebasedtargets.org/resources/files/Net-Zero-Standard-Criteria-jp.pdf