FAQ・用語集コラム

【業界動向】企業とSDGs(2)期待される役割と企業メリット

前回に引き続きSDGs(Sustainable Development Goals)をテーマ
にお届けします。今回はSDGs達成に向けて、企業に期待されている役割
と、SDGsに取り組むことによる企業メリットについて取り上げてみたい
と思います。
 
 少しおさらいをしますと、SDGsは、国連総会で採択されたアジェンダ
2030の中に示された「世界共通の2030年開発目標」で、開発と名は付く
ものの、開発途上国のみならず、全世界のあらゆる社会・経済・環境面
の課題を17のゴールで網羅した「人類・地球の目指す姿」でした。
各ゴールは相互に関係し合っており、統合的な解決が必要であること、
そのためにも、国際機関・政府だけでなく、企業・市民などあらゆる
主体の参加・協働が必要なことが謳われています。
 
 SDGsの中で企業についての記載がある箇所としては、まず、ゴール12
の持続可能な生産・消費があります。「大企業や多国籍企業などの企業
に対し、持続可能な取組を導入し、持続可能性に関する情報を定期報告
に盛り込むよう奨励する」(ターゲット6)と、企業への要求が示されて
います。

 また、SDGs達成のための実施手段とパートナーシップに関する記載の
中には、民間企業に期待する役割として、「全ての企業に対し、
社会課題解決のために創造性とイノベーションを発揮することを求める」
ということが記されています。(アジェンダ2030パラグラフ67)

 前目標のMDGsでは、国際機関や政府が主体となり、ODAなどの
公的資金を用いて取組が行われていました。一方、SDGsは目標の範囲
や規模が大きくなり、これまでの主体や資金では対応しきれません。
そこで、企業の持つ技術や知恵、資金を生かし、ビジネスとして課題解決
に貢献してもらうことに大きな期待が寄せられているのではないかと考えます。

 国連グローバルコンパクト他が、企業がSDGsを活用するための行動指針
をまとめた「SDG Compass」では、SDGsに取り組むことで、
企業にとっても多様なメリットがあることを訴えかけています。
数例を以下にまとめてみます。

 一つ目は、ビジネス機会の創出が期待できるという点。
SDGsが示す社会課題の解決は世界共通のニーズであり、解決につながる
技術や商品・サービスを開発できれば、新たな市場の開拓が期待できます。
特に、省エネ・再エネに関する革新的技術、情報通信技術などを活用した
CO2排出量の少ない技術、貧困層向けの生活改善(保険医療・教育・金融
など)製品・サービスなどが期待されるとのこと。さらに、SDGsは、
投資を持続可能性に資する方向に誘導することを目的としており※、
課題解決に取り組む企業は資本へのアクセスが容易になるというメリット
も期待できるとしています。
 
 二つ目は、企業の持続可能性に関わる価値の向上が期待できるという点。
SDGsへの取組が、操業の効率化(資源の節約など)につながったり、
企業のブランド力を高め、結果として、売上の向上・優秀な人材の獲得・
従業員の意欲アップ・地域社会などとの良好な関係などにつながる効果が
期待できるとしています。逆に、取組が不十分な場合には、不祥事や、
顧客・地域社会からの信頼失墜のリスクなども考えられます。
 
 三つ目は、政策と方向性を合わせることで対応力が構築できるという点。
SDGsは今後の政策の方向性を示しており、これに率先して取り組むことで
将来規制強化などがあった場合に発生しうるコスト高騰や制約に未然に対応
することができるというものです。
(社内カーボン・プライシングなどが良い例と言えます。)

 「SDG Compass」では、企業がこれらのメリットを生かし、
自社としての成功も収めながら、SDGsの達成に最大限貢献をしていくため
の取組ステップが示されています。
次回はその内容について取り上げてみたいと思います。

(次号に続く)

※SDGs達成に必要な資金は数兆ドルに及び、民間の投資をいかに持続
 可能性に資する方向に誘導するかが極めて重要であるとされています。
 (国際連合広報センターHP)
 関連する動きの一つとして、ESG投資推進に向けた投資家のイニシアチブ
 国連責任投資原則(Principles for Responsible Investment:PRI)
 が2017年に公開した「責任投資のビジョン」があります。
 向こう10年間のビジョンを示したものですが、
その中に「SDGsの実現」が盛り込まれており、SDGsに沿った投資活動
 を行うための手順の整備やツールの開発を行うことが宣言されています。
 近年高まりを見せるESG投資の中に、SDGsも組み込まれていく方向に
 進んでいきそうです。

参考資料:
・外務省「我々の世界を変革する: 持続可能な開発のための 2030 アジェンダ」
 www.mofa.go.jp/mofaj/files/000101402.pdf
・GRI・国連グローバルコンパクト
 「SDG Compass SDGsの企業行動指針-SDGsを企業はどう活用するか」
 (グローバルコンパクトネットワークジャパン・地球環境戦略研究機関和訳)
 http://ungcjn.org/sdgs/pdf/SDG_COMPASS_Jpn.pdf
・PRI「責任投資のビジョン」
 https://www.unpri.org/download?ac=2973

                         (執筆者:山本)

(2018年4月23日メルマガ)

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